第三十一回陸海軍特別攻撃隊合同慰霊祭

祭 文

 本日茲に、第三十一回陸海軍特別攻撃隊合同慰霊祭を、ご遺族、戦友、関係者一同が、靖国神社の社頭に集い、平和平穏の内に執り行えることに感謝し、謹んで在天の御霊に申し上げます。

 皆様方は、六十有余年前、大東亜戦争において、わが国土とわが民族の安泰のために、一身を投げ打って、空に海に陸に、敢然と散華されました。皆様方は、後に続くを信じ、未来に希望を託して、目前の国難に一命を捧げられたのであります。これは、皆様方が、日本人として、日本の歴史、文化、伝統から培われてきた日本精神の真髄を発揮されたものであります。私たちは生ある限り、皆様のことを語り伝えていかなければなりません。

 戦いが終って、六十五年が経ちました。しかしながら、あの時の反省を踏まえた多くの努力にもかかわらず、今も人の世は、国の内外を問わず、極めて混迷した状況にあると言わざるを得ません。すなわち、核の拡散、テロや海賊の横行、宗教や民族間の争い、独裁覇権主義国家の存在、経済不況、環境、食料、資源問題など、枚挙に暇がありません。

 わが国周辺においても例外ではなく、北朝鮮の核保有、中国の軍備急拡大、東シナ海、尖閣列島、竹島、北方領土など多くの問題を抱え、日本は、将来の安全保障の面で、正念場を迎えていると言っても過言ではありません。このような状況の中で、昨年、政権が交代しました。国民が、現状に危機感を抱き、変化への対応を託したのであります。しかしながら、託された新しい政権は、政治、外交、安全保障、財政再建という、国の骨幹に関わる事項において、明確な政策を確立しえず、枝葉にわたる事項において混乱を招き、いたずらに時を費やしているような状況であります。日本が古来育んできた、公を想い、和を尊び、毅然として正義を貫く精神は、影をも亡くし、目前の利己に重きを置く風潮が、国中に蔓延しております。現今の若者達は、日本の過去を否定され、現在の混迷の世を生き、未来に託する希望さえ見出せない状況であります。ある意味において、大東亜戦争当時の若い方々より不幸かもしれません。今は英霊となられた皆様方が、願い、思い描かれていた幸せな国家の未来像とは、程遠いものがあるのではないでしょうか。戦後生きてきた私達は、今一度、一人ひとりがそれぞれの立場で自らを省み、日本人の心を皆様から学び直さなければなりません。そして、それを心に刻み、たった今から、より良き日本を創るための努力を重ねていかなければならないと痛感するものであります。そのことこそが、皆様方に対する何よりの供養であり、わが国再生の一助になると確信します。今後の活動の継承、強化を誓うものであります。

 在天の御霊、どうか私共をお導きください。そして、日本のため、尚一層のご加護を賜りますように心からお願い申し上げて、祭文奏上を終ります。

平成22年3月27日

特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会
会長 山 本 卓 眞

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