第59回特攻平和観音年次法要 祭文

本日ここに、第59回特攻平和観音年次法要の日を迎えました。謹んで在天の御霊に申し上げます。

皆様方は、六十有余年前、わが祖国、民族の危急存亡に際し、一身を投げ打って、空に、海に、陸に、散華されました。これらの特別攻撃隊の作戦は、日本人が育んできた精神文化の真髄が発揮されたものであり、人類史上、類を見ない輝きを放っております。今年もまた、平和平穏の内にこの法要を執り行うことができますことは、皆様のご加護のお陰であります。私たちは末永く、皆様のことを語り伝え、そして感謝の気持を捧げてまいります。

戦後私達は、皆様方のお気持を胸に秘め、国の再興、発展のために努力をしてまいりました。その結果、物質的、経済的には歴史上稀に見るような復興を遂げてきた様にも思えます。しかしながら、今世界は、東西冷戦を終えてもなお、民族、宗教、貧困などに起因する争いごと、資源、エネルギーの争奪戦、核の拡散、テロや海賊の問題など、国際社会は多様化する価値観の中にあり、秩序も大きく揺らいでおります。それら諸問題に対する明確な解決の手段は、未だ見出し得ておりません。わが国周辺地域においても、北朝鮮による核やミサイルの保有、韓国海軍哨戒艦撃沈、中国の軍備拡充、外洋進出等、具体的で不安な事象が生起しております。一方国内においては、昨年以来、政権交代等に起因する、政治、外交、安全保障などの国の骨幹をなす分野においてさえ混乱が続き、国際社会におけるわが国の地位も揺らいできているのが現実であります。

わが国が今、この苦境を乗り越えるためには、今一度、日本がこの風土の中で育んできた精神に立ち返ることが大事だと考えざるを得ません。私達は、特攻隊の皆様から、人としてのあり方を学び、現在の苦境を乗り越えていく力を与えていただかなければならないと考えるのであります。

国の内外を眺めますと、あらゆる分野で、大きな変革、交代の時代を迎えているように見えます。ただその歩むべき方向は、未だ定まっているとは思えません。その方向や価値観を定めるために、特攻隊戦没者の皆様から学ぶべきことは多いと痛感するものであります。

協会は、未だ変革の中に有ります。会員の高齢化が進み、会員数の減少をきたしております。また、公益法人に移行しなければなりません。当世田谷観音への月例参拝や、内外各地での慰霊祭参列、「特攻勇士の像」の護国神社奉納事業などの活動は、引き続き実施してまいります。「特攻勇士の像」は、新たに大阪護国神社に献納しました。今年は、栃木、千葉に献納すべく事業を更に拡大継続してまいります。私達は、皆様方への慰霊顕彰活動を通じて自分を磨き、わが国を皆様方の志に恥じない国にするための努力を続けてまいりますことを誓うものであります。

在天の御霊、どうか私共をお導きください。そして、尚一層のご加護を賜りますように心からお願い申し上げて祭文奏上を終ります。

平成22年9月23日

特攻隊平和観音奉賛会
財団法人特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会
会長 山本 卓真

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