第32回陸海軍特別攻撃隊合同慰霊祭 祭文

本日茲に、ご遺族を始め関係者代表が靖国神社のご社頭に集い、第32回陸海軍特別攻撃隊合同慰霊祭を、平和のうちに執り行えますことに感謝申し上げますとともに、謹んで在天の御霊に申し上げます。

我が国は今、去る3月11日に発生した東北関東大震災という未曾有の災害に見舞われております。東北地方太平洋岸を中心に、地震、津波のため一万人以上の国民の命が奪われ、国民の多くの財産が失われました。原子力発電所の事故も発生しております。これら最悪の事態に、世界の多くの国々からの救援も得て、国民が一団となって、復興に取り組んでいるところであります。

66年前、わが国存亡の危機に際し、皆様方は一身を投げ打って、敢然と目前の国難に当たり、希望を未来に託して散華されました。私たちは子々孫々、皆様のことを語り伝え、学び、そして感謝の気持を捧げてまいらなければなりません。ただいま、悲しみや困難を乗り越えて災害復興に取り組んでいる現地の人々の気持ちも、皆様に通じる精神であると思います。必ずや復興は成し遂げられるでありましょう。

戦後66年の間、私達は、国の再興、発展のために努力をして、その結果、物質的、経済的には世界でも稀に見るような目覚しい復興を遂げてまいりました。しかしながら、世界は今もなお、民族、宗教、資源、核、テロや海賊などの問題が絶えません。わが国周辺地域においても、北朝鮮による砲撃、中国による軍拡と尖閣、東シナ海への進出、ロシアによるわが北方領土領有宣言等、不公正な事象が次々と生起しております。一方、我が国においては、政権交代後、国の骨幹をなす分野において混迷が続き、国を揺るがす規模の災害発生等とも相まって、わが国の国際的地位が大きく揺いでいるのが現実であります。

我が国の今の混迷は、自然災害は別として、戦後復興の過程において、物や金に捉われすぎ、本来の日本精神を見失ってしまったからかも知れません。いまや、日本の価値観は、日本古来の教えに大きく反する方向に偏ってしまいました。これは本当の意味の精神的敗北であります。ここから再度立ち上がるためには、大きな苦難を覚悟しなければなりません。現在の大自然災害からの復興活動は、ある意味で私達に、この再起のための苦難をあたえてくれているのかもしれません。今一度、日本がわが風土の中で育んできた「バランスのとれた和と武の精神」に立ち返るために、私達は、一致団結し、目前の復興活動に邁進しなければならないのです。そのために、特別攻撃隊の皆様から、現在の苦境を乗り越えていくための力をお借りしなければなりません。

今までの協会は、この1月4日に国から「公益財団法人特攻隊戦没者慰霊顕彰会」として移行認定されました。会員の高齢化が進み、会員数の減少をきたしておりますが、志のある皆様と力を合わせて活動を継承してまいります。

私達は、皆様方への慰霊活動を通じて謙虚に自分を磨き、わが国を皆様方の志に恥じない国にするための努力を続けてまいる所存であります。このことこそが、皆様に対する何よりのご供養になると信ずるからであります。ここにお誓い申し上げます。

在天の御霊、どうか私共をお導きください。そして、日本復興のため尚一層のご加護を賜りますように心からお願い申し上げて祭文奏上を終ります。

平成23年3月26日
公益財団法人特攻隊戦没者慰霊顕彰会
理事長 山本 卓真

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