第三編 顕彰譜

特攻隊戦没者慰霊顕彰会理事長就任に当って 特攻隊戦没者慰霊顕彰会理事長就任に当って

公益財団法人特攻隊戦没者慰霊顕彰会

理事長岩﨑茂

「特攻隊戦没者慰霊顕彰会」の会員の皆様、そして我が会の会報であります「特攻」をご愛読して頂いております方々に日ごろからのご理解、ご支援、そして叱咤激励に心から感謝・御礼申し上げます。

 私は、去る7月25日の理事会で、藤田幸生理事長の後を受け理事長を拝命致しました岩﨑です。私は、防衛大学校を昭和50年(1975年)3月に卒業し、以来、航空自衛官として約40年間近く自衛隊で勤務させて頂き、平成26年(2014年)10月に退官致しました。当会には、自衛隊を退官後に入会しましたので、まだ8年も経過しておらず、必ずしも「特攻隊」の事を熟知している訳ではありませんが、藤田理事長の下で副理事長を務めさせて頂き、当会が行う各種行事や活動、そして日本各地で行われております特攻隊の慰霊行事に参加させて頂き、「特攻隊」について少しずつ勉強して参りました。

 当会は、ご承知のとおり、以前は「財団法人特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会」として活動しておりましたが、平成23年(2011年)1月以降、「公益財団法人特攻隊戦没者慰霊顕彰会」となり、「特攻隊戦没者の慰霊顕彰を行うとともに、特攻隊の史実等を広く国民に伝える事業を通して、国の恒久平和と発展に寄与すること」を目的として各種活動を行ってきております。

 当会の行う慰霊事業としては、毎年3月下旬に主催する靖國神社での「特攻隊全戦没者慰霊祭」、毎年秋分の日、世田谷山観音寺が主催する「特攻平和観音年次法要」への協賛です。また、当会は、他慰霊関連団体が行う慰霊祭等への参列、協力も行っております。当会の他の事業としては、会報「特攻」の発行、特攻隊等に関する資料の収集・調査、そして全国の護国神社への「特攻勇士之像」の奉納等が主な事業です。

 会員の皆様は、既にご承知のとおり、近年の当会を取り巻く環境には厳しいものがあります。会員数は減少を続け、現在は1300人を割り込んでおりますし、各慰霊祭への参加数も減りつつあります。

そして、最近のコロナ・ウイルスの蔓延により、令和2年(2020年)以降の多くの慰霊活動等は中止や規模縮小が余儀なくされており、今後の当会の活動にも影響が出るのでは?との懸念を抱いております。

 この様な厳しい状況の中ですが、当会としては、いろいろな方々のお知恵を借り、会報である「特攻」の編集見直し、ホームページをリニューアルし、ネットを活用した広報の強化を行う等、これまでにない工夫を行うことで、前述の様な会員数の減少の歯止めに一定の効果が出ていると評価しております。また、各都道府県に所在する護国神社への「特攻勇士之像」奉納事業は、奉納により、これまで特攻隊戦没者の慰霊祭が行われていない地域での慰霊祭として定着しつつあり、特攻に対する理解が少しずつ進んでいるのではと考えております。しかし、まだまだ十分ではありません。是非、当会の会員方々に、そして「特攻」の愛読者の方々に、当会の活性化のアイデアをお願いしたいと考えております。

 最近の世界の状況を鑑みるに、ウクライナへの軍事侵攻が起り、台湾海峡の危機が叫ばれております。この様な時代だからこそ、我々は、今一度、先人が残された偉業に感謝しつつ、我が国の安寧を願って止みません。

 私は、諸先輩のご指導、ご鞭撻のもと、理事長として、率先垂範、皆様の先頭に立ち、当会の発展・繁栄の為、尽力することをお誓い申し上げ、就任の言葉としたいと思います。