第三編 顕彰譜

会報第140号 巻頭言 会報第140号 巻頭言

公益財団法人特攻隊戦没者慰霊顕彰会
理事長藤田幸生

 風薫る五月です。世は,生気に満ち溢れています。

 しかし、その一方で、人の世は、中国武漢発新型肺炎コロナウイルス禍や、ロシアのウクライナ軍事侵攻等の情報で、混乱が続いて居ます。

 そんな中、我が日本国は、多少の混乱がありながらも、この恵まれた気候、地勢、風土の中で、何とか無事に過ごしております。時の流れは絶えずして止まらず、淡々と経過しております。感謝です。
「この時」を、「長い」と思えるか、「短い」と感じるかは、個人の置かれた環境や、考え方次第では、ないでしょうか?
時の単位は、秒、分、時から、日、月、年、世紀、時代・・・・・果ては、古生代の「紀・期」という単位もあります。

 生き物には全て、「寿命」というものが、与えられています。短命で、世代が入れ替わるものや、屋久杉のように長寿で、長生きするもの等、様々です。限度があります。
近年では、人の寿命も延びて、100年を超える人も、増えてきています。
 さて、そこでです。時間の長短についてです。
多くの特攻隊員達は、二十歳前後の若者でした。「短い人生で,可愛そうだ!」と言われています。私も、実は、そう想ってきました。そうして、コロナ禍の中で、身辺整理、終活をしながら,よく考えて
みました。

 そうしたら、「時の流れの中で言えば、20年も、80年も、大差は無く、宇宙での長大な時の流れの中では、ほんの一瞬に過ぎないのではないか?」と、言うことに気付かされたのです。
 その長さよりも、もっと大切なことは、「如何に、真剣に時を過ごしたか?生きたか!」と、いうことではなかろうか?!・・・ということです。

 人の人生には、「十人十色」で、色々あります。しかし,その中で大事なことは、「自分に与えられて時代・環境の中で、如何に真剣に生きるか!」と、言うことではないでしょうか! 不平や,不満ばかり言っても仕方が無いことでは!

「特攻隊員」から、私が学んだ教えであります。