第三編 顕彰譜

第43回特攻隊全戦没者慰霊祭 第43回特攻隊全戦没者慰霊祭

編集長 金子敬志

 令和4年3月26日(土)に靖國神社において斎行された第43回特攻隊全戦没者慰霊祭は、新型コロナウイルスの状況に鑑み、昇殿参拝のみとし、懇親会は無しとして斎行されました。

慰霊祭行事は次のとおりです。

一慰霊祭
令和4年3月26日(土)11時~12時
  於靖國神社拝殿・本殿

 式次第
国歌演奏
 トランペット 堀田和夫
        牟田春雄
修抜、献饌、祝詞奏上
祭文奏上    理事長藤田幸生
献吟一誠流   吉野一心
 龍笛     安藤一感
●海上挺身隊第26戦隊久司博敏作
 昭和二十年五月二十五日海上戦闘終了後沖縄県
 首里付近で戦死
 若桜国の鎮めと散りしとも
   永久に咲きませ靖國の花
●菊水6号第2魁隊四方巌夫作
 昭和二十年五月十一日指宿発進沖縄周辺で戦死
 天翔ける時に来にけりおおいなる
   やまとしまねを吾は守らん
献奏「鎮魂同期の桜」「海ゆかば」
 トランペット 堀田和夫
        牟田春雄
本殿参拝
 玉串奉奠(遺族・来賓等参加者代表)
 黙祷「国の鎮め」
 御遺族7名(同伴者を含め9名)を始め御来賓、戦友、一般会員等を合わせて164名の方々が参列し、英霊に哀悼の誠を捧げました。
 また、参列は出来ませんでしたが、玉串料をお送り頂いた213名の方々の玉串料は、御芳名を添付して当日参列された方の分と合わせて靖國神社に収めさせていただきました

二特攻勇士之像への献花
 本殿参拝後、参加者は遊就館前の特攻勇士之像の前に集まり、代表者による献花と共に手を合わせた後、来年こそは制限の無い慰霊祭が開催されることを願って解散しました。

祭 文


 特別攻撃隊で戦没された、ご英霊の皆様に申し上げます。
 3年ぶりに多くの方にご参集いただき、ここ、靖國神社の社頭において、お参りすることが出来ますことに、心から感謝申し上げます。
 皆様方は、大東亜戦争末期の我国の存亡の時に際し、ご家族、ふるさと、そしてこの日本を守るために、空に、海に、陸に、自らの身を賭して、散華されました。
 正に、日本人の崇高な精神「利他」を、身をもって示されたものです。
このことは、我国のみならず、人の世に、燦然と輝く、語り継ぐべき偉業として、残されてきております。
 私達は、皆様方に対し、心からの感謝と、敬意を奉げます。皆様方のお陰で、現在の平和で繁栄した日本があり、そして、国際社会の中でも、平和国家として、その存在価値が認められ、人類発展のために、貢献してき
ております。心ある外国の人々も、そのことを十分認識されております。
 昨年も、コロナ禍でありましたが、オリンピックを成功裏に開催し、日本の底力を内外に示すことが出来ました。
我国は、先の大戦で、死力を尽くした戦をしました。結果として敗れましたが、その後、この七十有余年の間、武を収め、平和平穏を維持して参りました。そして、
地球上で奇跡といわれるような発展を遂げております。このことは、世界の歴史
上、類を見ないことであります。
 ただ、この間にも、ロシアによるウクライナ侵略に見えるような、民族、宗教、主義主張、国境等による争いや戦争が、絶えたことはありません。その戦いは、
宇宙、サイバー空間にまで拡大し、絶えることなく続いております。
 その抗争、紛争、戦いの様相は、その物理的能力の拡大が、人類の精神的制御能力を逸脱超越しそうな勢いで、広域化、強大化してきているように伺えます。
 皆様は、七十有余年前、祖国日本の不滅と最後の勝利を確信し、より良い日本を建設すべく、国家国民のために一身を捧げられました。皆様の示されたこの精神こそ、常に国を護り、国を興す底力であり、身を以て範を示されたものと信じてやみません。
 私たちは、これからもご英霊の皆様の志を守り、粉骨砕身、ますます努力し、日本の平和の維持、発展と文化の継承に努める所存です。
 世界の情勢は、今、正に激動の中にあります。在天の皆様、どうか私達をお見守りください。そして、お導き下さい。
皆様方の、安らかならんことをお祈り申し上げ、祭文といたします。

令和四年三月二十六日
公益財団法人特攻隊戦没者慰霊顕彰会
理事長藤田幸生