第三編 顕彰譜

新年を迎えて 新年を迎えて

(特攻隊戦没慰霊顕彰会会員)
参議院議員 宇都 隆史

 特攻隊慰霊顕彰会の会員の皆様、明けましておめでとうございます。航空自衛隊出身、「空翔ぶ参議院議員」こと宇都隆史(うとたかし)です。昨年は公私に渡りご指導ご鞭撻を賜り、厚くお礼申し上げます。

 新たに発足した菅政権において「外務副大臣」を拝命致しました。去る9月18日、皇居(正殿松の間)におきまして、今上天皇陛下に拝謁し官記を授与され、その重責に身の引き締まる思いが致しました。「国民のために働く内閣」の一翼を担い、更なる安全保障・外交政策の推進のため、副大臣としての職責を果たして参ります。

 さて、昨年を振り返るとコロナ対応に明け暮れた一年でした。全世界を震撼させた新型ウイルスは、一年間で約150万人の命を奪いました。我が国では、4月に政府より緊急事態宣言が発令されましたが法的強制力はなく、外出や移動制限もあくまで『要請・指示』に過ぎず、有事を想定した我が国の権限集中の在り方については、大きな課題が浮き彫りとなりました。今年は東京オリンピック・パラリンピック大会も予定されています。人類がコロナウイルスに打ち勝った証として、大会実現のため国際社会と協力してコロナの収束に全力を挙げて参る所存です。

 国際社会に目を向けますと、我が国の政権交代により、国際社会は、新たな菅政権が中国に対して、どのような姿勢で臨むのか注目していましたが、政権発足後ただちに日米豪印外相会談を東京で開催し、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の結束を確認すると共に、いかなる力による現状変更も許容しないことを表明しました。11月には王毅外相が訪日しましたが、茂木大臣から厳しく非難する一幕もありました。中国とは今後、10年以上の長いスパンで、互いに警戒しながら牽制しあい、時に対話もしながら付き合っていくこととなるでしょう。
覇権主義を更に鮮明にし、牙をむくようになった中国に対し、我が国自身の自衛力の強化・拡大は避けて通ることのできない選択だと考えます。

 同盟国では昨年の米大統領選挙結果により、本年1月20日には新バイデン政権が誕生することとなります。バイデン政権に移行したからと言って米中対立が終焉することはなく、米国の対中戦略が「関与政策」に回帰することはないと見ています。しかし、バイデン大統領は環境分野やクリーンエネルギー分野の推進を公約に掲げており、地球規模で達成するには中国の協力が不可欠で、分野ごとに中国との対話姿勢を打ち出すことも予想されています。我が国としては「米国から要求されたから」ではなく、大国の責任と日本の置かれた立場を強く認識して、より積極的・自主的に行動することが求められています。引き続き我が国の防衛力の強化に対し、実直かつ粘り強く、取組んで参ります。

 二期目の活動もいよいよ第3コーナーを回り、来年の三期目となる挑戦に向けて、議員秘書一丸となって精進しております。何卒、ご協力ご支援の程、宜しくお願い申し上げます。

 末筆ながら、会員の皆様の御健勝と御多幸を御祈念申し上げ、新年の御挨拶とさせていただきます。