第三編 顕彰譜

第42回特攻隊全戦没者慰霊祭 第42回特攻隊全戦没者慰霊祭

編集長 金子敬志

令和3年3月27日(土)に靖國神社において斎行する予定であった第42回特攻隊全戦没者慰霊祭は、引き続く新型コロナウイルスの影響により、参集者の安全を考慮し、昨年同様、顕彰会役員等による代表参拝に変更して斎行されました。
慰霊祭行事は次のとおりです。


一玉串料の伝達

「第42回特攻隊全戦没者慰霊祭参列予定者一同」として藤田理事長より村田権宮司へ伝達(玉串料を奉納された方の御芳名を添付しました。)
二式次第
(1) 修祓
(2) 祭文奏上(理事長)
(3) 玉串奉奠
(4) 退下


 式開始に先立って参集殿控え室において会員の皆様からの玉串料を靖國神社村田権山口宮司にお渡ししました。
この後例年は拝殿に向いますが、今年は拝殿が改修工事中のため仮拝殿に於いて修祓を受けました。その後、本殿に昇殿し、理事長の祭文奏上、代表による玉串奉奠を行い哀悼の誠をご英霊に捧げました。

た。
 終了後、参加者は遊就館前の特攻勇士之像に手を合わせた後、記念撮影をして解散しました。

祭文

 謹んで在天の英霊に申し上げます。
 皆様が祖国日本のために尊い命をささげられた大東亜戦争の開戦から今年で早くも80年が過ぎました。この間皆様のご加護により、日本は戦禍に見舞われることなく、平和な時代を過ごしてまいりました。

 現状を観るに、昨年、中国から拡散した新型コロナウィルスが全世界に蔓延し、パンデミックが,発生しております。我が日本でも、ここ1年で、50万に近い方がり患し、約9千名の方が命を失いました。


 このため、昨年のここ靖国神社での慰霊祭も、本日の慰霊祭も、規模を縮小して行わざるを得ない状況になってしまいました。誠に申し訳なく思う次第です。

 この戦後76年間のことを振り返ってみますと、科学,経済等の発展は、ありました。しかし、我が国の平穏の陰で、世界においては、様々な戦争や,紛争、テロ等が、生起してきております。

 先の大戦後、人類は,その教訓に鑑み、国際連合等の国際機関、相互安全保障同盟の締結核兵器の管理条約等を通じて、平和構築の努力を続けて参りました。
その御蔭で、世界大戦規模の混乱は、防止できてきました。しかしながら、主義・思想や宗教戦争等、新しい形での争い事、また、テロ等民族、地域間の紛争が、頻発するようになって来ております。その争う空間も、従来の陸海空に加えて、宇宙、サイバー、電磁波空間に広がり、ロボット等無人兵器間での争いに移行してきているように伺えます。

 一般的に観ても、「空間的」には、宇宙、サイバー、また、「物理的手段的」には、核兵器、生物化学兵器、無人兵器等による争い事に広がり、国際的な管理面でも、それらへの取り組みが遅れております。
新しい問題の生起が,危惧されているところであります。

 私達人類は、生き物としての原点を忘れること無く,これを直視し、ひるむこと無く、平和平穏の世界を求めて、前進していく必要があると,考えます。

 身近な問題として、昨年行われるはずだった、日本で戦後2回目のオリンピックも今年に延期となりました。無事に開催され、日本の底力を世界に示すことが出来るよう、是非、皆様にもお力添えを賜りますようお願い申し上げます。戦後、自虐史観にとらわれ、日本のすべてを批判し、それがあたかも正義であるかのような風潮が蔓延しています。「今の若い者でこれからの日本は大丈夫か」と言う年寄りも多いですが、スポーツを見ていて、若い選手が日本を代表し、日の丸を掲げ、大きな声で君が代を歌う姿を見ると、今の若者にも、意識の根底には日本を想う気持ちがあると感じます。また、コロナの感染防止に対しても、他国にみられるような、強権的な手法を取らなくても、自主的に予防処置を講じ、利他の精神で対処することで、他国よりも感染者は大幅に低く抑えられています。皆様が身を以て示された日本人の精神は、脈々と受け継がれ、日本の将来は明るいのではと思えてきます。

 皆様は、祖国日本の不滅と最後の勝利を確信し、より良い日本を建設すべく、国家国民のために一身を捧げられました。
皆様の示されたこの精神こそ、常に国を護り、国を興す底力であり、身を以て範を示されたものと信じてやみません。

私たちは、これからもご英霊の皆様の志を守り、粉骨砕身、ますます努力し、日本の発展と文化の継承に努める所存です。どうか在天の英霊、安らかに鎮まりますとともに、私共に一層のお力を賜らんことをこいねがう次第です。

令和3年3月27日
公益財団法人特攻隊戦没者慰霊顕彰会
理事長 藤田幸生