第三編 顕彰譜

年頭の御挨拶 年頭の御挨拶

(特攻隊戦没慰霊顕彰会会員)
参議院議員佐藤正久

 新年あけましておめでとうございます。
特攻隊戦没者慰霊顕彰会の皆様のご支援、ご協力のおかげで旧年中も議員活動に専心できましたこと、紙面をお借りしまして、厚く御礼申し上げます。

 コロナ禍が起きて本年で3年目になりますが、この間、各種行事が自粛、中止となり、特攻隊慰霊顕彰会の皆様におかれましても十全の活動ができず、そのご心労は如何ばかりだったかとお察し申し
上げます。幸いにして、ワクチン接種率の向上や基本的な感染対策の徹底など、国民の皆様のご努力や政府・自治体の施策が功を奏したものと見え、令和3年10月以降の新規感染者数は低水準に留まっ
ております。(令和3年11月30日現在)

 政府・与党といたしましては感染第6波への備えを充実させ、その拡大を最小限に抑えるべく日夜努力をしており、佐藤も自民党外交部会長として水際での感染対策等に注力しております。また、かつての日常生活を取り戻すための各種施策も検討されており、特攻隊戦没者慰霊顕彰会の皆様におかれましても感染対策を講じたうえでの慰霊顕彰行事の開催が本年中には可能になるかと推察いたします。
 さて、最初の神風特別攻撃隊がフィリピンのマバラカット基地を出撃してから77年余りの月日が経ちました。厳しさを増す当時の戦況を挽回すべく、十死零生の作戦に身を挺した特攻隊員の方々の姿は「健気」の一言に尽きます。体当たりという非常の戦術に対して批判する向きもありますが、その責は作戦指導に当たった軍・部隊の上層部が負うべきものであり、最前線で散華した特攻隊員の方々には何ら責められるべき点はありません。
 だからこそ諸外国では、この特攻隊員の方々の健気な献身と犠牲に対して感嘆と称賛の眼差しを向けるのでしょう。実際に終戦直後に特攻隊の調査にあたった米国戦略爆撃調査団の将校は、特攻隊員の
方々が戦死確実の作戦になぜ志願したのかを当初は理解できませんでしたが、元特攻隊員(海軍飛行予備学生)の「戦況の悪化を痛感し、特攻が最も有効な攻撃方法と確信した。我々が身を捧げることにより、日本の必勝を信じ、後輩がより良い学問を成しえる様にと考えて志願した」等の複数の証言を聞いて、「彼らの言うことは理にかなっており、アメリカ人にも理解できると思う」との所感を残しています。

 こうした特攻隊員の方々の健気な献身と犠牲によって、今の日本は平和な時代を過ごしています。しかし戦争状態にはないものの、日本を取り巻く安全保障環境はこの10年間で大きく変化し、厳しさを増しています。皆様もご存じの通り中国が強引な海洋進出を進め、さらにロシアがその豊富な地下資源により経済を立て直して再び世界の強国たらんとしております。その中で最近問題になっているのが「純然たる平時ではないが有事でもない」という「グレーゾーン」への対処です。とくに尖閣諸島付近での中国海警局艦船の連日の遊弋が顕著ですが、この様な事態へ的確に対応し、特攻隊員の方々が身を挺して守った日本の領域を確実に防衛するために、現在「領域警備法」の制定を目指して佐藤は鋭意活動中です。
特攻隊員の方々の健気な献身と犠牲に報いるべく今後も政治の場で国防に益々邁進していきますことを皆様にお誓いして、年頭のご挨拶とさせていただきます。