第三編　顕彰譜

建碑記
噫ヽ殉国忠勇平和礎石ノ九軍神、昭和十六年(一九四一) 十二月八日ノ未明大東亜戦争ノ先陣トシテ、ハワイ真珠湾攻撃ニ艇身決死隊第一号ノ面目躍如、 輝ク戦果ヲ挙ゲ、マタ能ク我空軍爆的ノ峰火トナリ海空呼応壮絶無比ノ一大諸戦ヲ展開自ラハ従容愛艇ト運命ヲ与ニシ壮烈湾深キ所浪ノ華ト散リ行キシ九軍神、三机湾ハ日本ノ真珠湾トシテ諸勇士ト特殊潜航艇ガ一心同体生死諦観決死ノ猛訓練基地トナリ、海神ヲ哭カシメル門外不出ノ秘境デアッタ十七年三月九軍神ノ勲功氏名ノ発表セラルルヤ沈思果敢天晴ノ最期二驚嘆シ三机ノ人々ハ感泣シタ、当時若桜ノ九軍神、マダガスカル、シドニー等デ散華シタ諸勇士が三机ニ遺シタ逸話美談ハ一斉ニ花ト咲イタ歌書ヨリモ軍書ニ悲シ三机湾モ今ヤ戦争ノ真珠湾カラ平和ノ真珠湾ニ衣更エ、日米ヲ真珠デ結ブ山紫水明ノ平和境トナリ観光客モ次第ニソノ数ヲ増シツツアル、九軍神ハ戦争ノ犠牲トナリ、マタ平和ノ礎石トモナル、 戦争放棄平和憲法治下国土平安民生安定ノ福祉国家トシテ新生日本ハ逞シク前進スル。
鳴呼、芳シキカナ護国ノ英霊、瀬戸町有志ハ広ク浄財ヲ募ツテ軍神由緒ノ地ニ
慰霊碑ヲ建立シテソノ功績ヲ敬仰スル、九軍神ノ英霊永遠ニ瞑セラレヨ。
昭和四十一年八月吉日建之
江山　二宮　鴻　謹書
宮司　阿部正雄 撰文

祭神　九軍神
所在地　愛媛県西宇和郡伊方町瀬戸八幡神社境内
交通　八幡浜駅より三崎行きバス約40分三机下車
建立　昭和41年8月
例祭　12月8日
祭主　瀬戸町青年
写真提供 三机青年団