第三編 顕彰譜

佐久市貞祥寺 回天之碑 佐久市貞祥寺 回天之碑

 

碑文
昭和十九年太平洋戦争を重ねて苛烈となり、戦勢ようやく我に利あらざる時、憂国の至情に燃えし黒木博司少佐、仁科関夫少佐は、第一特別基地隊に在りて、前代未聞必死必殺の水中特攻兵器、人間魚雷を完成、もって頽勢の挽回を計らんと「回天」と命名徳湾大津島に基地を定め、日夜一人一艦必殺の戦法操縦訓練に励む。黒木少佐は訓練に殉じたるも、仁科少佐以下敵前進基地ウルシー、パラオ・コッスル水道、ホーランジア、グアム・アプラ港に、また硫黄島、沖縄附近海域、中西部太平洋上に大津島、平生、大神の各基地より出撃し敵艦に体当り攻撃を敢行せり。
戦遂に利あらず昭和二十年兵を収むるまで戦没並びに殉職搭乗員の英霊百五十余柱帰らざる潜水艦八隻その乗員八百十余柱を数う。
散華せし勇魂を仰慕し回天の偉業を後世に伝えんと、創始者仁科少佐の出身地佐久に、永遠の世界平和を念じつつ長野県出身戦没並びに殉職搭乗員仁科関夫少佐、北村十二郎少尉、中島健太郎大尉、宮沢一信中尉の霊安からんことを祈念し戦友相寄り「回天之碑」これを建つ。
昭和五十一年六月六日
長野県回天会

 

 

所在地 長野県佐久市前山洞源山貞祥寺境内
交通 小海線 中込駅よりタクシーで10分
建立 昭和51年6月6日
守護団体 洞源山貞祥寺