第三編 顕彰譜

会報第137号 巻頭言 会報第137号 巻頭言

公益財団法人特攻隊戦没者慰霊顕彰会
副理事長岩﨑茂

 我が国では、長い長いコロナ禍での生活が、もうじき二年になろうとしています。今年、春先から始まったワクチン接種も徐々に進み、既に日本国民の約6割が二回目の接種を終えており、10月1日からは、全ての地域での「緊急事態宣言」や「蔓延防止等重点措置」が解除され、新型コロナに関わる行動制限がない状態となっています。しかし、我々が新型コロナ・ウイルスを駆除し撃滅させた訳でもなく、このウイルスに感染しない新薬を開発した訳でもありません。まだ、まだこの新型コロナ・ウイルスに感染する可能性があります。この為、政府は9月末に「新型コロナ・ウイルス基本的対処方針」を発出し、今後も、これまでどおりの対策(マスク着用、手洗い、三密回避等)を継続する様、国民に注意喚起をしています。

 この様なことから、今年も残念ながら、昨年に引き続き各地での特攻隊戦没者に関わる慰霊祭や各種慰霊行事等が中止となったり、規模が縮小されたりしています。過日、毎年恒例の世田谷山観音寺での「特攻平和観音年次法要」も規模を大幅に縮小し、特攻隊戦没者慰霊顕彰会(以降「顕彰会」)の役員のみで行いました。

 この様な二年に及ぶ全国での慰霊行事の中止等を受け、私が危惧していますことは、果して来年以降の慰霊祭にどれだけの方々がご参集して頂けるかです。私は、自衛官勤務を終了した後に「顕彰会」に参加させて頂きましたので、「顕彰会」での活動は、まだ7年の経験しかなく、必ずしも「顕彰会」の事や各地での慰霊行事を周知している訳ではありません。
しかし、最近の傾向を見ますと、新型コロナ・ウイルス以前であっても、各地での慰霊行事への参加者数は減少してきています。そして、今回のコロナ騒動の後は、更に減少するのではと心配をしています。各地の慰霊行事のみならず、我が「顕彰会」の会員数も激減の一途です。
かつては、3000名を超す会員数でしたが、毎年一定数の新規加入者がおらますが、結果的には、退会される方が遥かに多く、結果的には、毎年100名程度の減少となっています。

 私は、「顕彰会」の副理事長の職を拝命し、「顕彰会」の機関紙であります「特攻」の編集委員長でもあります。この会員数の減少や各地での慰霊行事に対する参加される方の減少に歯止めをかけるため、機関紙「特攻」組み立てを工夫し、編集内容・要領を変える等の努力を行っているところです。また、「顕彰会」としては、最近のSNSの普及等を考慮し、若い方々のご意見を取り入れ会員でない方々にも気軽に「顕彰会」の現状等が見れるようにホームページの充実等を図っているところです。会員の中には、この様な変更等を必ずしも「よし」としない方もおられるかもしれませんが、何卒、私達、「顕彰会」の大きな目的である「特攻隊員の思いを次世代に伝える」ことを考えれば、私どもは、考えられるあらゆる努力をしなければと努力を傾注中です。「顕彰会」の会員であるか否かに拘わらず、何かより良いお知恵があれば、「顕彰会」事務局にご一報くださいますようお願い申し上げます。最後に「顕彰会」の活動は、会員の全員で行っていくべきものと考えております。今後とも皆様方の積極的な活動参加をお願い申し上げ今回の巻頭言とさせて頂きます。